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アイツのことを蝶々と呼ぶのは紫烏だけだ。つまり、ジョーカーも紫烏。

何が目的なのかは定かじゃねぇが、瑛太が狙われてるとなりゃ話は別だ。



だが、ただいうだけじゃ紫烏はバカにしてはぐらかすだろう。それに仲間から外すだけじゃつまらねぇしな。



「そこで考えたんだけどね、体育祭…仮装するハロウィンパーティーを使って何か出来ないかなって」


「何かって…誘き出す、とかか?」


「うん。あっちが騙してるなら、こっちも騙してみたりして」



敵の力を借りるのはどうかと思ったが、ニコリと笑ったクイーンからは紫烏への怒りを感じた。

まぁ、コイツ頭は回るっぽいしな、どこぞの王様より。


レイジも利用されそうになったことを理不尽そうにしていたが、結局は関与しねぇらしい。
ケンカになって自滅しろとでも思ってんだろ。



「じゃあまずは…」


「つか…ちょっと待て、お前がいる意味あんのか?」


「あ゙?何いってやがる。俺の黒蝶のピンチだぜ?」


「キングは僕たちのトップだからね、いてもらわないと困る…かなぁ?」


「……おい、どういう意味だそれは」


「とりあえず僕たちはジョーカーの情報に乗ろうと思うんだけど…」



綺麗な顔してこえぇな…同じ綺麗でも瑛太とは大違いだ。
ま、顔も瑛太の方が上だがな。


とにかく、俺たちはアイツを誘き出すための作戦を練った。

colors総長としてけじめをつけるために、瑛太をアイツから守るために、俺はどんなことでもやってやる。



* * *



「……オレをどうするつもりだよ…」


「オレ"たち"ッス!」

「いや、放課後話がしたいって…あー…会長にいったらさ、もー仕事しろって怖くて。あっちが終わるまでちょっと手伝ってくんね?」


「「……はぁ?」」



いきなり何を言い出すかと思えば、生徒会の仕事を手伝え?

何いってるんだとジャックを見たけれど、至ってマジメらしい。申し訳なさそうな顔で生徒会室の前に立ち、やっとオレたちの腕を放した。


辰巳…今、何話してんのかな…。




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