12
「……ぁあ?」
「じゃあ僕は伝えたからね」
「「は?」」
……え、行っちゃったんだけど。そ、それだけだったの…?
パチパチッと辰巳と目を合わせて、逃げ出すタイミングを失ったオレは席に戻ることにした。
さっきの、多分族関係での話…だと思う。
「……行く、の?」
「………」
「でも、少し意外だったな…」
「んぁ?何がだ?」
「クイーンが来たことが」
もしあれだけの伝言だったとしても、キングが来てたら変な言い合いになっていたかもしれない。
辰巳もオレも、絶対行かないし。
だから、クイーンが来たのは正解。
……まぁ、多分クイーン自身がそういったんだろうけど。
「しゃあねぇ、行くか」
「オレも行くよ。……ダメ?」
「いや、いてくれた方が嬉しいに決まってんだろ」
クシャッと頭を撫でられ、この話は終わりになった。
良かった…断られたら悲しいもん。
◆
「……ここが生徒会室か」
「あー…うん、オレも来たの初めて」
「あいつらが好みそうだな、こりゃ」
「え、でも設立時から変わってないって話だけど…」
3年間、わざと避けてきた生徒会室。理事長室並みに豪華な扉に、オレたちは入るのを躊躇っていた。
でも入らないと始まらない。
だから辰巳がノブに手をかけ開けようとした、
……とき、横からキングに呼ばれる。
「おい、こっちだ」
「あ゙?」
「早く来い。もうみんな待ってる」
「……チッ、行くぞ瑛太」
「ん、」
辰巳に手をとられて、キングが消えてった部屋に入る。
応接室ってかいてあったけど…果たしてこんなところに、それが必要なのだろうか?
オレは職員室か理事長室の横にあるべきだと思うけど。
「もー遅いッスよ2人とも!怜治さんを待たせるとは何事ッスか!」
「………で、何の話だ」
「ちょ、ムシとはいい度胸ッスね!怜治さん、待たせられた分やっちゃいましょうよっ」
「………うぜぇ、黙れシロ」
「了解ッス」
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