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「……ぁあ?」


「じゃあ僕は伝えたからね」


「「は?」」



……え、行っちゃったんだけど。そ、それだけだったの…?

パチパチッと辰巳と目を合わせて、逃げ出すタイミングを失ったオレは席に戻ることにした。


さっきの、多分族関係での話…だと思う。



「……行く、の?」


「………」


「でも、少し意外だったな…」


「んぁ?何がだ?」


「クイーンが来たことが」



もしあれだけの伝言だったとしても、キングが来てたら変な言い合いになっていたかもしれない。

辰巳もオレも、絶対行かないし。


だから、クイーンが来たのは正解。




……まぁ、多分クイーン自身がそういったんだろうけど。



「しゃあねぇ、行くか」


「オレも行くよ。……ダメ?」


「いや、いてくれた方が嬉しいに決まってんだろ」



クシャッと頭を撫でられ、この話は終わりになった。
良かった…断られたら悲しいもん。







「……ここが生徒会室か」


「あー…うん、オレも来たの初めて」


「あいつらが好みそうだな、こりゃ」


「え、でも設立時から変わってないって話だけど…」



3年間、わざと避けてきた生徒会室。理事長室並みに豪華な扉に、オレたちは入るのを躊躇っていた。

でも入らないと始まらない。
だから辰巳がノブに手をかけ開けようとした、


……とき、横からキングに呼ばれる。



「おい、こっちだ」


「あ゙?」


「早く来い。もうみんな待ってる」


「……チッ、行くぞ瑛太」

「ん、」



辰巳に手をとられて、キングが消えてった部屋に入る。
応接室ってかいてあったけど…果たしてこんなところに、それが必要なのだろうか?

オレは職員室か理事長室の横にあるべきだと思うけど。



「もー遅いッスよ2人とも!怜治さんを待たせるとは何事ッスか!」


「………で、何の話だ」


「ちょ、ムシとはいい度胸ッスね!怜治さん、待たせられた分やっちゃいましょうよっ」

「………うぜぇ、黙れシロ」

「了解ッス」




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あきゅろす。
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