2
『キャア、灰狼様ーっ!』
『今日もかっこいーっ』
『黒蝶もいい目してるぜっ』
『俺が守ってやりてーっ』
「ははっ、毎日凄いなーエータたち」
「……弘樹だってそれなりに人気あるだろ」
「俺?いやー俺はダメだ。最近じゃ誹謗中傷のが多いし」
そりゃそうだけど…でも知ってるんだからな。よく告白されてることとか。
今だって弘樹の笑顔に癒されてる人もいるんだから。
「でも、あの頃に比べるとエータも慣れたよな。あのときチョー凄かったし」
「そ、それは…っ」
「俺としては逆に慣れてほしくなかったがな」
「……辰巳まで何いってんの…」
でも確かに、当初…辰巳の編入の次の日は凄かった。
あれからもう一週間以上経ってもこれなんだから…colorsっていうのは、ホント凄いチームなのかもしれない。
◆
「おはよー…」
「おっ、おう…朝帰りか」
「……何それ、変な勘違いするなよ」
「……へっ?」
「別に、ふぁ…っ、話してただけだし」
翌日、着替えとかしなきゃいけないから少し早めに起きて部屋に戻った。
リビングで会った弘樹は何か動揺していて、オレでもすぐ分かった。
……変なこと、想像したなぁ。
でも弘樹が思うようなことは本当に何もない。紫烏のこととか、会えなかった分話したらもう結構な時間で。
2人して欠伸を連発しながら一緒に寝たんだ。
それだけ。
「いやっ…ごめ、」
「んー…いいんだけどさ」
それで弘樹が辰巳に変な気を起こさなければ。…なんて、ああ、なに弘樹に嫉妬してるんだか。
それから制服に着替え、顔を洗って髪をとかす。別にそんな、女の人みたいに丁寧にってわけじゃないから。
寝癖を直して、それから前髪をあげる。今日はゴムで結べばいいかな…。
「うわ…隈出来てる…」
「……お、あげてくのか?」
「うん、まぁ…もういいかなって」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!