3 オレがここに来たのは中学からだ。 ここの特性とかは入ってから知ったけど、オレの容姿のおかげなのか特に嫌な思いはなく3年間過ごせた。 そして…高等部への進学。 それはオレにとって、絶好のチャンスだったんだ…。 「はぁ…っ、はぁ、……はは、はははっ!」 出た、 出れた…! 何台も通り過ぎる車、 行き交うたくさんの人、 夜だというのに明るい街。 ………そう、街だ! 「やっと…やっと自由になれた…っ」 高等部という鳥籠は、色んなとこに隙間があった。 オレはそこから逃げたんだ、ようやく自由になったんだよな…? こんなに清々しい気分はどれくらい振りだろう。 綺麗というわけでもないけれど、でもオレにとっては新鮮な空気を大きく吸い込み、そこから歩き出した。 正直いうとここがどこだか知らないし、お金も持ってきてない。 「……どうしようか…」 ………とりあえず、歩いてみよ。 このとき…このときオレは、外へ出れたことが嬉しくてただ浮かれていたんだ。 行く宛も、お金も、身を守る術も持っていないのに…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |