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「あー分かるー。飛沫もー似たような感じだしー」
「「は?」」
「「火と太陽!」」
そういわれて互いの頭を見た。
確かに俺は火の赤だし、飛沫はオレンジだ。
だがこれはどっちかっつーと……ミカン。
「……くっ…」
「あ゙?」
「みっ…ミカ、ンッ…!!」
「は…はぁ?!」
そう思ったらミカンにしか見えてこねぇっ。ミカンが動いて喋るってこれ、マジウケる。
修吾たちも俺のいいたいことが分かったのか、髪を乾かしながら爆笑していた。
わりぃな飛沫…ククッ。
「あーでも俺、火だなんていわれたのは初めてかもしれねぇな」
「え、そうなの?」
「ああ。つか俺自身、血としか思ってねぇから」
「ぁ…そ、そっか…」
「……あ?ぁ、いや、悪い。別に暗い話じゃねぇし」
ただ、本当にそう思っていただけだ。
違う見方もあるんだなと思いながら、長い髪を持ち上げてみる。
(わわっ、りっちゃん色っぽいー!)
どことなく首あたりに視線を感じたが、何も気づかなかったことにしておこう。
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