29 結局雅の部屋まで手を繋がれたままやってきた。暑かったヅラも外し、汗で汚れた顔を洗う。 「今日はアイスティーにしてみました。ふふ、ほんと素晴らしかったですよ、若。今度colorsで集まったとき、またやりましょうね」 「あー…まぁ、涼しいときにな」 「ええ、そうですね。……ところで…先ほどは、あの2人と、何を、話していたんですか?」 「……んなてめぇが想像してるようなことじゃねぇよ。ただ…あいつらがハズいこというからだな、」 「どんなことですか?」 「っ…赤蛇は、憧れだとか…んなことだ」 あいつらが気づいてないとはいえ、面と向かっていわれんのは俺だってハズい。 ただ忘れちゃならねぇ。 俺は、憧れられるほどすげぇ人間じゃねぇってことを。 俺はそんな凄くねぇ。 「若…っ、可愛らしいですね、ふふ。そんなことで耳を赤くするなんてっ……ああ、実はそういうストレートな表現が苦手だったりするんですか?」 「知るか」 「またまた、照れちゃって。そんなことなら私がいくらでもいって差し上げたのに。若は素敵ですよ。気高く、凛々しく、私の中は常にあなたでいっぱいです」 [*前へ][次へ#] [戻る] |