19 「あ、ほら来ましたよ」 「ありがと……って僕、こんなもの頼んでないんですケド」 「ええ、私があなたの為を思って頼みましたから。それと小声でなら敬語じゃなくても平気だと思いますよ」 「……あ゙?じゃあいいか。じゃなくて勝手に頼むな、こんなん食えねぇよ」 「少しずつでいいので手をつけて下さい」 雅が頼んだのは和食御膳。 野菜スープあたりで済まそうと思ってたが……先を越されたか。めんどくせぇ。 まず最初に手ぇつけんのはたくあん。もとの量が少ねぇからすぐに食い終わる。 「………ん、ごっそさん」 「は?何いってるんですか。他のも食べなさい」 「腹いっぱいだ」 「ダメです」 「……………チッ」 お袋たちはここまでウルサくいわねぇ。……まぁ雅がいるからだろうがな。 仕方なく焼き魚を一切れとご飯一口、味噌汁を半分飲んだ。 量は少ねぇかもしれないが、久しぶりにまともに食ったな。 「まだお豆腐が残ってますよ。あ、それからもう一口ずつ食べて下さい」 「は?もう十分食っただろ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |