10 「遊べるといいねっ」 「そーだねー。みんなでー集まれるといーねー」 「………ああ、そうだな」 休みに遊ぶなんて、今までしたことねぇな。平和すぎる…。 あっという間にやって来た夏休み。必要なもんなんてほとんどなく、財布とケータイ…パソコンを持って家に帰ることにした。 はえぇ奴はもう家に帰り、今は雅と修吾と電車に乗って移動中だ。大体の奴は車の迎えがあんだとよ。 うちもいわれたが、もちろん断った。だから必然的に雅もここにいるわけだ。 「修吾のうちは迎え来ねぇのか?」 「いえばーくるー。でもー断ったー」 「ほぉ…」 「もー高校生だしー時間無駄にしてほしくないんだー」 修吾は自立できてんだろうな。 俺らの母さんやってるくれぇだし…しっかりした奴じゃねぇか。 そこらの金持ち野郎に教えてやりてぇぜ。 つってもまぁ俺も人のこといえねぇが。俺の場合は雅か……うげ、はえぇとこ自立しねぇとあとが怖いな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |