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『何で2人で出てきてんの?』
『デキてんじゃ…』
『うわー俺の蓮ちゃんが!!』
『あの格好で一発やりてー』
などなど。蓮はなるべく聞かないようにしているのだが、やはり聞こえてしまうものもある。かばんからティー(クマ) を取り出し、必死に握って心を落ち着かせた。
((ゴ、ゴスロリ!?))
そのクマがそう思わせたのか、みんながそう考えたのはいうまでもない。…と、
「はーい、古畑心、着替え完了しましたー!!」
──ザワッ
いきなりの完了宣言に周りがざわついた。そしてみんなが蓮から目を離し、カーテンに注目すると…ババン!という音と共にセーラー服に身をまとった心が現れた。
『おー結構いいじゃん』
『それつけ毛?』
「もち☆いいっしょ?俺メイク頑張っちゃったよー。このスカートの丈がまたいいでしょ?ルーズにするかハイソにするか悩んじゃったよ、あはは」
そういってクラスを一周した心は、どっからどう見ても女の子でしかない。蓮とは違う可愛さがさらけ出されていた。
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