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蓮が保健室に行くと、紅は忙しそうに中を動き回っていた。それを端の方で見ていると、何かが終わったのかいつも通り椅子へ座る。
「おまたせ」
「なにしてたん…?」
「んー?備品チェック。今日までだったの忘れててさー」
そういって紅は豪快にあははーと笑った。そんな笑いごとじゃないんじゃ…とも思ったがあえて蓮は何もいわず、話を先へ進める。
「今日は手伝ごうてもらいたいことがあって」
「何?まさかまた買い出しとかいわないよね…」
「ちゃいますよ!!服を作るらしくて、サイズを測らないけへんや」
「ああ、そういうことね。じゃあさっさと計っちゃおっか」
するとどこからか紅はメジャーを取り出し、蓮をベッドのほうへ移動させた。
「股下…胸囲、ウエスト…あーこれは結構本格的だね」
「何や服屋はんがおるらしくて。お金かけてますよね」
「まぁそんなのが集まってできた学園だからね。で、何の服作んの?」
サイズを計りながら紅が聞いた。何気ない会話だが、蓮は答えにうっ、と詰まる。実は心に口止めされているのだ。
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