35
要と神がいた。気配もなく後ろに立たれて話をされ、蓮はパニックに陥ってしまった。だがその間も探はひたすら食べ進める。2人が来ていることに気づいていないようだ。
「人の顔みる度いい反応してくれるじゃねーか」
「なっ!?ぁ、やぁ…!」
要が隣の席へ座ってきた。そして座られたことにより距離が近くなってしまい、蓮は慌てて立ち上がる。だが要がそれを許すはずもなく、腕を掴み無理やり座らせてきた。
「ちょっと要、やめ…」
『キャーッ!!寺門様が汚れるっ、そんなオカマに触らないでくださいっ』
「あ…?」
今にも倒れてしまいそうな蓮をみた神は、慌てて止めに入った。いや、入ろうとしたのだが…違う声によってかき消されてしまった。要の親衛隊だ。
蓮と同じくらいの身長に、大きな瞳をした子が走り寄ってきた。蓮も一瞬可愛いと思ったのだが近くでみると、目はつり上がっていて見た目気が強そうだ。
『寺門様に触らないでよっ!』
「いたっ」
蓮を睨みつけていたたと思ったら、今度は手を叩かれた。握っているのは要なのだが、叩かれたのはもちろん蓮の腕。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!