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「きたっ」
「うそー…」
たくさん食べると知っていた蓮でも、引いてしまう程の量。だが探はそんなの気にせず、ひたすら食べ進めていく。それがまた速くて、周りはずっと目を奪われっぱなしだ。
でもおかげで蓮への視線は無くなった。何だかんだでまたしても探に助けられたのだ。蓮は心の中でお礼をいい、ご飯を食べ始めた。
◆
8時を回って15分。この時間になると人はほとんど残っておらず、周りは静かになる。蓮は自分の分を食べ終え、探を待っていた。
探はのこりA定食とそばだけだ。あれから一言も話さずに食べ進めたおかげで、30分に4皿平らげるという記録を叩き出した。
「ほんまにすごいなぁ…」
「本当ですね。まるで掃除機のようです」
「人間掃除機か!そりゃ傑作だ」
「……ぇ…」
独り言をいったのに返事が返ってきた。しかもどこかで聞いたことのある声。蓮が恐る恐る振り返ると…、
「よぉ、蓮」
「こんばんは、西園寺君」
「ひっ!?やぁああっ!!※×ぃ○▲やぁあ☆◎っ!」
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