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食堂。本来ならばそれだけは避けたいのだが、今の探を見てしまうとそうもいっていられなくなる。現に探は行く、とだけ返事をし、財布を取りに行ってしまった。


「はぁー…よしっ!頑張れ自分っ」


仕方なく蓮も気合いをいれ、2人で食堂へ向かうことになった。自分の前をちゃっちゃと歩く探。蓮はそれを見て笑みを零した。まるで子供のようだ。そんなことを思いながら食堂へ入る。

今は7:30。ちょうど込み合っているときに2人は来てしまったらしい。探は気にしてないが蓮にとって、これが最悪の状態になってしまうのは、後少し先のこと。


各々が注文をし、席について5分。2人は何も喋らずに待っていたが、周りがとてもうるさい。蓮のことを指差し、オカマだのヤりたいだのと騒いでいるのだ。

蓮も聞かないようにはしているのだが、嫌でも耳に入ってきてしまう。膝の上で拳を握りしめ、ひたすら耐えていると…頼んだ料理が運ばれてきた。


――ザワッ


周りが一層騒がしくなった。いや、周りだけでなく蓮もだ。目の前には探の頼んだ物が運ばれてきていた、のだが…。量がハンパない。

ラーメン、チャーハン、カツ丼、A定食、パスタ、そば。これら全て探のものだ。



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あきゅろす。
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