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外へ散歩…とも考えたが1人では怖いし、何より今日は雨が凄い。出れる状態では無いのだ。
「何しよー…」
(思い切って寮内回ってみよっかなぁ…。や、でも人に会ったら怖い…)
少し勇気を出して玄関まで行ってはみたが、そのまま戻ってきてしまう。そのまま部屋の中をうろちょろしていると、部屋の中が一瞬光った。
そして……、
――ゴロゴロゴロッ!!
「ひ…ゃああぁぁあっ!!うわぁーー!」
雷の墜ちる音とともに蓮の叫び声が部屋中、いやその階全体に響いた。
「おわっ!?え…なんだ?火事?」
そして次に、ドタンという音とともに部屋から半裸の探が飛び出してきた。だが辺りを見回しても特に火が燃えている様子もなく、また寝るために部屋へ戻ろうとした。
……目の端に蓮の姿が映らなければ。
真っ暗な部屋の中、隅の方で耳を塞いで震えている蓮の姿があったのだ。その様子はあまりにもか弱く見え、探はそっと近づいて声をかけた。
「え、どしたの?…ゴキブリでもいた?」
「ヒッ…ひぃ、ぅああああっ」
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