33 会計を終え、再び車にのり、学園に戻った。そしてはいさよなら。…と、紅はそれまでのつもりだったのだが、蓮はそうはさせてくれなかった。 「んしょ、ふんっ!!」 ――シーン… 「んん…、ん…!」 なんと、お米が重くて持ち上がらないのだ。 「あーもー今度からは考えて買いに行きなさいよ?」 「うぅ、何から何までおおきにぃ…」 「いいわよ、乗りかかった船ってやつね」 何だかんだいっても優しい紅は、部屋まで荷物を持って行くことにした。食材ぎっしりの袋をヒィヒィ言いながら、持ってくる蓮を紅は部屋の前で眺める。 「あーあ、可愛いから期待してたんだけどな。これじゃ男に慣れるので精一杯か」 「はぁっ、何ぞいい、ました?」 「別に。じゃあ私は戻るわ。あ、明日はもう来ないこと!!いいね?」 「う…はい。ほんまおおきに」 蓮がペコッと頭を下げると、紅は手をヒラヒラと振りながら去っていった。さて、と蓮はドアノブに手をかける。 ―─ガチャン 「…あれ?開いてへん…いないんかな?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |