26
蓮は喚き散らし、泣きながら教室を出て行ってしまった。当たり前ながら周りは唖然としたままで、要も目を見開いてポカンとしている。
そして、そんな蓮を見送った後、神は探に目を向けた。一緒にいたから親しい仲、と思ったのだろう。
「市川探」
「市川君、一体何があったのか分かりますか?実は昨日もいきなり倒れたんですよ」
「正直に話せよ」
探なら何か知っているだろうと考え、神が問いかける。要も蓮を庇わないよう、圧力をかけた。だがその答えは意外なものだった。
「なんか男嫌いらしいよ?」
「へ?」
「は?」
「………うまい」
――モグモグ
呆気に取られる2人をよそに、探は黙々とパンを食べ進めていく。その量とスピードはハンパないが、要たちは蓮のことで頭がいっぱいらしい。
「男嫌いなのにこの学園に入学…」
「ありえねぇ。つか触っただけで泣くとかムカつく」
「まぁまぁ、私たちもお昼にしましょう。では市川君、失礼しました。西園寺君にくれぐれもよろしくとお伝え下さい」
「チッ」
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