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でも探はそんなの関係ないとでもいうようにご飯を食べ進めながら、しっかりと答えてくれた。
「うん。何で?」
「えと…材料がね、もう終わってしもたんや。ほんで、えと、一緒に買いに行って欲し、いです…」
「いいよ」
「えっ!?ええの?お、おおきに」
以前買いだめしていた材料が無くなり、買い出しに行く必要があった。そのためには重い荷物を持ってくれる人が必要だったのだが、紅が行ってくれるはずもなく、勇気を出して探を誘ったのだ。
正直面倒くさいと断られるかと思ったが、意外とあっさりOKしてくれた。ホッとしてしている蓮は気づいていないだろうが、探がOKしたのは全て自分のためだ。
【材料が無い=料理が作れない=学食などでお金を使う】
一瞬にしてこの方程式が成り立っただけ。そして明日土曜日、2人は初めて一緒に行動をすることになる。
◆
……はずだったのだが、
《──今日1日激しい雨が降り続くでしょう。雷のほうもご注意下さい》
「え…嘘やんか…」
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