20
そういえばあの日、紅が何かをいっていたような気もする。
(…今度紅さんに聞いてみよっ)
「何してるの?」
「え?…わぁっ!?」
しばらくの間無言で廊下を見つめていた蓮。そんな不思議な様子は遠くからでもよく分かり、近づいてきた探が後ろから声をかけた。
よほどビックリしたのだろう、探がまだいるのに思わずドアをバタンと閉めてしまった。
「……あのー」
「ぇ、あ、ごめっ…。おか、えり」
「うん。…あれ?なんか今日は豪華だね」
「え゙っ?!そ、やろか…?」
机に並べられた料理をみて探が一言。それを聞いて蓮が一言。
…こんなことをいっているが、実は探のいう通りなのだ。機嫌がよかった蓮は残り少なくなっていた材料を使って、腕によりをかけて料理を作った。
もしかしたら嘘がバレたかな、と探を盗み見るが、どうやら気づいていないらしく、物凄い勢いで料理を食べていく。
「あ、そだ。えっと…市川、君」
「…ん?はひ?」
「明日、時間…ある?」
初めて友達同士のように話かけてはみるが、まだ抵抗があるらしく、途切れ途切れになってしまう。
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