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そういえばあの日、紅が何かをいっていたような気もする。


(…今度紅さんに聞いてみよっ)

「何してるの?」

「え?…わぁっ!?」


しばらくの間無言で廊下を見つめていた蓮。そんな不思議な様子は遠くからでもよく分かり、近づいてきた探が後ろから声をかけた。

よほどビックリしたのだろう、探がまだいるのに思わずドアをバタンと閉めてしまった。


「……あのー」

「ぇ、あ、ごめっ…。おか、えり」

「うん。…あれ?なんか今日は豪華だね」

「え゙っ?!そ、やろか…?」


机に並べられた料理をみて探が一言。それを聞いて蓮が一言。

…こんなことをいっているが、実は探のいう通りなのだ。機嫌がよかった蓮は残り少なくなっていた材料を使って、腕によりをかけて料理を作った。

もしかしたら嘘がバレたかな、と探を盗み見るが、どうやら気づいていないらしく、物凄い勢いで料理を食べていく。


「あ、そだ。えっと…市川、君」

「…ん?はひ?」

「明日、時間…ある?」


初めて友達同士のように話かけてはみるが、まだ抵抗があるらしく、途切れ途切れになってしまう。



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