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ここでやっと話が繋がった。だが思い出したくない記憶に触れられ、蓮はぐっと吐き気をもよおしてしまう。いや、それよりもまず、なぜ神がそれを知っているのか。


「あの人たちはしっかり処分しておきました。必ずしも私が運良く通る、というわけではないので…。なるべく市川君といるようにして下さい。では」

(……通る?)


え、と疑問を持つ蓮に気づくわけもなく、神はそれだけいってそこから立ち去ってしまった。それを気配で感じ取った蓮はしばらく考え込み、そしてあることに気づき、慌てて外に出る。が、もう神はいない。


「助けて…もろた?」


蓮には、あの日以来ずっと気になっていたことがあった。それは、誰が助けてくれたのかということだ。紅は、自分にはなにも無かったといった。つまりそれは、誰かが途中で助けてくれたということだ。

その日はすぐ後にご飯を作ることで頭がいっぱいになってしまったし、その次の日はあの陰口のことで頭がいっぱいだった。すっかり助けてくれた人のことは頭から抜けていたのだ。



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