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「こんにちはー!!」
「お、今日はやけに元気だね」
「へへっ、紅さんさすがっ」
(いやいや、見てたら分かるって)
放課後、保健室に入ってきた蓮は誰が見ても分かるほど機嫌がよかった。紅は珍しいものを見るように中へ招き、席を用意する。
「あんな、クラスの人がね、今まで堪忍ねって。僕のこと分かったよっていうてくれたんや!」
「へーそう。これまたいきなり…。でもよかったじゃん」
「うん!…まぁあの、まだ怖いけどね…」
「それは仕方ないよ。少しずつ慣れていけばいいから」
「はぁい」
ニコニコと本当に嬉しそうに話す姿に、紅はどこか母親のような気持ちが芽生えたのは、いうまでもない。
(あぁ、親ってこんな気持ちなのかしら…?我が息子が微笑ましいわ全く)
◆
「〜♪…っと出来た!はよ帰ってけぇへんかなぁ…」
あれから少しして部屋へ戻り、上機嫌で料理を作っていた蓮。ほぼ完成してしまい、あとは探が帰ってくるのを待つだけだ。
(そういうたら…)
「…いつも何してんやろ…?」
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