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「ふぅ…も、食べれへん」
自分で量を調節して持ってきたはずなのに、お腹がいっぱいで残してしまった。まぁ持ち帰ってまた食べればいいや、と思っていると横から手が伸びてきてサンドイッチを掴んだ。
「ふぇっ!?」
「食べないなら貰っていい?」
「ぁ…」
いい?なんて聞いておきながら、蓮が返事をいう前に探が食べてしまった。自分が買ってきたパンはかなりの量があったにも関わらず、サンドイッチを頬張る探の胃袋はさながらブラックホールだ。
「もう無いの?」
(えっまだ食べるの!?)
「…な、無い」
「なんだ…」
ごちそうさま。そう呟いて探は横になってしまった。蓮は探の胃袋に、ただただ呆れかえってしまう。これからの食費が心配だ。少し出してもらわねば。そう思い、蓮も横になった。
◆
午後も何事もなく終わった。ただ、お昼寝のせいで4時間目がギリギリだったのは言うまでも無いが。
そして放課後、授業が終わると探はすぐに出て行ってしまった。なぜか一緒に帰ることに期待していた蓮は、肩をがっくり落としながら教室を出ようとした。
だが、目の前にあの男が立ちはだかる。
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