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『この2人デキてんじゃん?』
『寺門様に森田様にまで足開いて…』
『とんでもねーインランじゃん』
『俺も混ぜてぇあははは』
(やだやだ、なんなん…っ)
「………、」
――ガタン
蓮はまだ何もいえないままだったが、さすがに探は我慢出来なかったらしい。むっくりと起き上がり、"インランだ" といった人のもとへ近付いていく。
……"2人がデキてる" というところには反応を示さなかったのに、だ。
そして何人かがその様子を見届ける中、いよいよ手が出る…!といったときに、意外な人物が部屋に入ってきた。
「おー何々?誰かの取り合いとかそんな感じ?」
「紅…さんっ」
紅だ。この学園唯一の女が入ってきて、中の様子を見てこの一言。さすが貴腐人、目がキラキラしている。だが、その間抜けな発言に探の怒る気が冷めてしまったのか、また机に戻り寝始めてしまった。
「あれ、終わり?つまんなーい」
「ど、ないしたん?」
その様子を見た紅が、つまらなそうな顔をして部屋を出て行こうとした。え、と蓮が慌てて紅のもとへ駆けより、何をしに来たのかを聞く。
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