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ふと漏らした言葉に返事が返ってきた。すっかり寝ていると思っていた探がこちらを見ていて、握っている手に力を入れてくる。
まさか聞かれると思っても見なかった恥ずかしいセリフに、蓮は顔を赤くした。…といっても暗がりで見えなかっただろうが。
それからしばらくして上映は終わった。再び寝てしまった探を起こして外へ出る。そのとき、探がこういってくれた。
「今度、本物見に行こう」
「ふぇ…?本、物…」
「うん。山、行ってさ」
「っ…うん!」
凄く嬉しい。2人はどこがいいかなど話しながら歩き続けた。
歩いてバスに乗って電車に乗って。このまま学園に戻るのかと思いきや、探が途中下車をするといい出した。蓮がよく分からないままついていったその場所は…、なんとバイキングだった。
中に入って先にお金を払う。蓮は一瞬これだけの分食べれるかな…と不安になったが、よく考えれば一緒に来ているのは探だ。よけいな心配である。
「蓮」
「え?」
「とにかくいっぱい盛っといて!」
「……は、い」
(目がキラキラしとるよ…)
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