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下の名前で呼ぶほどまだ親密にはなってない、と蓮の中では感じてるようだ。だけど要はそれでは満足いかず、要と呼べと迫ってくる。


「……チッ、まぁいい。次から呼ばなかったら…お仕置きだ」

「んっ!?」


そういって要は、噛みつくようにキスをしてきた。いきなりのことで全員が固まっているうちに、要は舌を侵入させてくる。


「ふっ…んんっ、ゃ…あ…っ…ふゃっ!」

「っ…てぇ…また噛みやがって」


要の舌から滴り落ちる血。そこでやっと周りの意識は戻り、神がハンカチを取り出した。てっきり要に渡すのかと思いきや、蓮の口元を拭い始めた。


「んっ、あの…先、輩…?」

「あ…す、すみません。このハンカチ、お使い下さい」

「?…おおきに」

「っ…///」


無意識のうちに行動に出ていたらしく、ゴシゴシと強めに拭かれた蓮の唇は、少し赤く腫れていた。ウルッと濡れた瞳は必然的に上目遣いになり、お礼をいわれた神は落ち着かない様子でその場から去っていった。

時間がないということもあり、要もその後を追っていく。やっと解放された蓮は、先に中に入っていってしまった探のあとを追うように、教室へと入っていった。



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