13 「うるさい奴だな…。それに怖かっただけじゃねーよな?」 「っ…ゃ、やだ!!も、森田せんぱっ…助けてっ」 「え、ええ!?」 要の意地悪な笑みに、蓮は神の腕を掴んでその背に隠れてしまった。そんなことをされて神は一瞬驚いてしまったが、明らか要が何かをしたんだと分かる。 「一体何をされたんですか?」 「別に?こいつが怖がってたから慰めてやっただけだ。なぁ?」 「ひゃあ…っ」 「ほれみろ。こんなに物欲しそうな声出しやがって」 またもや耳元で囁かれ、少し熱の残っていた蓮は声を出してしまった。それで全てが分かってしまい、心は要を怒り出し、神は蓮の声を聞いて固まってしまっている。 「ちょっ、こういうことしないって約束したばかりだろ!?暗闇なのをいいことになんて羨ましいこと!…じゃなくて蓮ちゃんに謝れよな」 「はっ、俺は落ち着くように股に手を置いてやっただけだ」 「……ああ、そうやってあなたは言い訳をするのですね」 「はぁ?なんだそら」 「いえ、いいんですよ別に。いくらでも言い訳なさって下さい。私たちは先に帰りますので」 「あ゙、おいっ!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |