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「あ…大丈夫ですか?」
「ぅ、あっ…勝手にっ、堪忍して…っ」
「いえ、私は大丈夫ですよ」
「わー先輩いーなー!蓮ちゃんチョー可愛いし。俺にはぎゅってしてくんねーの?俺もぎゅってさーれーたーいー!」
「ぁ…あのっ…」
蓮は遠慮がちに心の服を掴んだ。それでも知らない間にその手は離れていて、無意識に安全な方を選んでいるようだ。神は蓮の震えた手を気にしながら、どこに向かっているのかと聞いた。
「あ?…知らねー」
「え、では古畑君が…」
「え、俺も知らないですよ?てっきり要ンが行く場所決めてると思ってたし。…つか今目的なしに歩いてんの、俺ら」
「「………」」
どうやらそのようだ。みんなは一旦その場に止まり、これからどうするか相談し始めた。ただ、何も考えずに止まってしまったのがいけないのか、間が悪いのかは分からないが大きな注目を浴びている。
『やーんカッコイー』
『私あの爽やかそうな人タイプー』
『えーあの一番端にいる人でしょ!』
『私は帽子の子!可愛がってあげたくなるー』
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