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「お前、覚悟しとけよ」
「そうですね。退学…位は考えておいて下さいね」
「ほんっとに。蓮ちゃんのこと悪くいうとかまじありえねー。つか結局あんただって体目当てじゃん。蓮ちゃんのこと何も分かってないし」
みんなから責められ、退学確実となった彼は神によって連れて行かれた。後に調べた自室からは、蓮の大量の写真と動画、引き伸ばされた特大ポスターなどが押収されたとか。
「はぁっ…はぁ…っ」
「もう、大丈夫」
「ふっ…ぅぅっ…探、探っ!怖かった…ぅぇっ…無事で、よかった…!!」
「……うん」
もう大丈夫。その言葉が今まで緊張と恐怖で堅くなっていた蓮を溶かした。次々と溢れ出てくる涙はしばらくの間止まらなく、みんながずっとそばに寄り添ってなだめていた。
「…み、んな…おおきにっ…!」
にっこり笑ってお礼を告げる。色々あったけど、いてよかったと思える友達。頼りになる彼ら。
そんな人たちにもう一度お礼をいって、蓮に安泰が訪れた。
……いや、訪れすぎたのかもしれない。
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