12
みんな真剣に自分のことを考えてくれる。それが嬉しくて、でもこれからのことを思うと不安でいっぱいになって、複雑な気持ちになった。
それから再度1人になるなと注意され、みんなはバラバラになった。蓮と探が2人で部屋に帰れば、また届けられている封筒。中にはまたもや大量の写真。
蓮が震え、ついに泣き出してしまうと探はその写真と今までの分を持って、2人で一階へ降りていった。
「…うくっ…ど、うする…ん?」
「焼く」
「…へ?あ、探っ!?」
何を思ったのか、探は人気の無いところで写真を山積みにし、火をつけ始めた。ごうごうと燃える写真。それを見ていくうちに、少しだが蓮の心が晴れていった。
…そして探はもう一つ持ってきたものをその中にいれた。しばらくは2人で火を見つめ、寄り添っていたのだが急に探が動き出した。
そこら辺を何か探し回っていると思ったら木の棒を持ってきて、その残骸をつつく。そこから出てきたのは…、
「や、焼き芋…?」
「うまそ…」
こんがりと焼けたいい匂いのする焼き芋だった。探の目はキラキラ輝いていて、涎を垂らしている。探は蓮に一つ渡し、自分も食べ始めた。
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