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何をいっても無駄だ。探は完全にキレてしまっている。このまま謝らなければ今にも殴りかかりそうな勢いで、心が止めに入るが簡単に払いのけられてしまった。

…というよりは、もう探は殴る体制に入っている。

緊迫の張り詰めた空気。息が出来なくなるくらいで、そこにいたくない。誰かが動けば何かが起こるようで、みんなその様子を見守っていたのだが…要がバカにしたようにニヤッと笑ったのだ。


――グワッ

「っ…だ、めぇ!探、ダメっ!見とうない…止めて…」

「っ、蓮…」


…間一髪、探の手が要の顔をとらえる前に、蓮がその腕にしがみついた。離してと蓮を振り返れば、見たくないと泣かれてしまう。それを見た探は要を離し、蓮を抱き締めた。


「嫌、だ…探がいな、くなったら…嫌やもんっ!」

「…うん。ごめん」

「ふぇぇ…っ」


冷静になってみれば、物凄くヤバいことをしてしまったと後悔する探。手をあげたのは会長だ。ここでどんなことをいわれても、こちらの要求は通らない。だが…、


「いい加減にしなさい」

神があの時のようにキレた。



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