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「…んっ」
体に違和感を覚え、蓮は目を覚ました。ぼんやりとした頭で辺りを見回すと、霧のかかった部屋にいる。
(どこ…?…何か、温か…い?)
「お、やっと起きたか」
「へっ…?ひっ…いぁあっ!!」
蓮が今いる場所はお風呂の中。お湯がはられた湯船に全裸で浸かっており、誰かの足の間に座らされている。
それはもちろん要で、声で分かった蓮は悲鳴をあげようとした。だがその声は蓮の甘い喘ぎに変わってしまう。…要の手が、内股を撫で回していたのだ。
「いっ…やだ、な、で…やだっやぁっ…」
「暴れんな。俺はただ汚れてたお前を綺麗にしてただけだぜ?」
「あ…、」
バシャバシャと暴れる蓮の体を押さえ、要は耳元で囁いた。そのおかげで先ほどまで何があったのか思いだされる。顔を真っ青にして、嗚咽を漏らしながら泣き始めてしまった。
それを慰めるように要は蓮の髪に、頭に、首筋にキスを落としていく。だけど相手は要だ。そんな行為すら怖くてしかたない。
「やっ!離し、てっ…!!んぅ…っ」
「嫌だね。やっと捕まえたんだ」
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