みんなの気持ち(ムリヤリ) 学園に帰ってきたある日、蓮と探はスーパーへ買い出しに来ていた。紅は車を出してくれなかったので仕方なく歩いてやってきたのだが、帰る途中で彼と出会ってしまった。 「あっれー蓮ちゃんと市川じゃん!2人して買い物?うわーラブラブ!!市川が羨ましいぜコノヤロー!ね、今日のメニューは何?俺も食いにいっちゃだめ?」 いつものようにうるさい心。蓮は戸惑った顔を見せるが、探は心が食べに来ると聞いて立ち止まった。 「…探?」 「だめ」 「え…?」 「ご飯、あげない」 自分の分を渡すものかと、袋をがっしりと持って心を睨みつける。誰もそこまでして食べようと思わないのだが、実際にそういった行動をされると呆れる他ない。 心は行かないし!といって先に立ち去ろうとした。…が。 「…あ!そだ蓮ちゃん。蓮ちゃんにぜひ渡したいものがあるんだよねー。今度放課後にでも時間空けといてくんない?…ぜったい市川が喜ぶからさ」 「ぇ……あ」 「んじゃあなーっ」 探には聞こえないような声で心はそれだけいうと、蓮の返事を聞かずに去っていった。断ろうとしていた蓮だが、最後にいわれた言葉が耳に残り、期待をしてしまう。 [次へ#] [戻る] |