25
『排除すべき人間だもんな』
そんなこと、思ったことなんてない。今までもこれからも、きっと2人はずっと一緒に行動していくパートナーとなるだろう。
『偽善者ぶりやがって』
それは、実際そうなのかもしれない。よく分からない気持ちをしまい込んで、蓮のことを気遣って…。さらには要を叩いた。神はため息をつき、頭を冷やすことにした。
◆
みんながそれぞれの思いを抱きながら午後を過ごした。その夜、お母さんが探を呼び出した。
「蓮、部屋から出てこないのよ。呼んできてもらえるかしら?」
「……あ、はい」
お母さんが心配そうに探を見送り、心も妹たちもどうしたのだろうと顔を見合わせた。要と神は無言だ。
――トントン
「…蓮?」
「……す、ぐる?」
「どした…の?」
一応気を使っているのだろうか、探の声はいささか控えめだ。それに気づいた蓮はそっと部屋の戸を開け、恐々探を見上げた。
「ちーとばかし、やなこと…あっただけ」
「そっか。…おばさんが花火どうするのって」
「あ…」
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