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『えーあははっ、やだよーっ』
「なっ!そんなこという奴は俺が食べちゃうぞー!みんな蓮ちゃんみたいにうまそうだもんな。さ、誰からいくーっ?」
『キャーッ!ははっ』
もうすっかり馴染んでしまった心。3人と追いかけっこをしながら、その場を去っていった。そこにまた静寂が訪れる。
「えーっと…市川君、風邪引きませんか?そんな格好で」
気まずい空気を破ったのは神だ。お腹を出して寝ている探を指差し、布団を持ってきたらどうかと提案する。
「ぁ…さい、ですね。持ってくる、んで…失礼します」
「ちょっと待て」
「っ…」
早く立ち去ろうとしたのに要に呼び止められた。なるべくそちらを見ないように止まり、そこに立ちすくむ。
「そいつとどういう関係だ」
「要、それはこの前…」
「だがこいつからは聞いてねぇ」
「っ…恋、人…だもん!やから、もうっ…」
もう付きまとわないで。その意味を込めて本当のことをいったのに、要は引き下がってくれなかった。わざわざそんなことを聞くためにここまで来た訳ではないのだから。
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