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「うっはーうまそー!これ全部食っていいの!?……ん、うまい!蓮ちゃんの味と同じじゃん。さすがママさん!でもこの量はさすがに…」
『そらね、探兄ちゃんの分』
「え?…あーなるほど。こいついっぱい食うもんな。てか人ん家でこんなに作らせるなよー!あぁでもこんなに美味きゃ食っちゃうよな」
「…うるさい」
「ひどっ!いーじゃんか。俺喋ってないと落ち着かないしー。市川が無口すぎなの!俺ふつー」
「ふふ、賑やかでええねぇ。こないにお友達ができて」
お母さんの目にはどう映っているのか分からないが、みんな仲良しだと思っているらしい。心はいやいやーと照れ笑いをしてさらに話を盛り上げた。
それに蓮と神は小さく笑うが、要は何もかもが気に入らないようだ。しかもノリがいいということで心が自分より人気なのも、嫉妬心を煽る。
だがここは蓮の実家。怒鳴りつけたいのを抑えてその日は何とか終わった。
◆
次の日、蓮はあの人たちの相手をしなきゃいけないと思って、朝からため息をついていた。だがそんな心配は無駄なものになった。
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