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蓮がご飯を食べていくうちに強まる視線。何だろうと横を見ると、探がもうご飯を食べ終えていた。どうやらまだ食べ足りないようで、欲しそうに蓮のものを見ている。
「ぁ…食べる?」
「食べる!」
「…わわっ」
いうが否や、探はほとんど残っていた蓮のご飯をペロリと平らげてしまった。そんな探の頭には耳が、後ろには尻尾を振っている様子が見えるようだ。
そして満足がいったのか、ごちそうさまと手を合わせてウトウトしだす始末。
「うっそ…」
「食べてもうたよ」
「どんだけ食べんの?」
「いつもはもっと多いよ?」
『ええー!?』
探の食べる量と速さに驚く3人。お母さんもこれから大変だと、少し嬉しそうに意気込んだ。
「いつもこうなん?」
「うん」
「食べられちゃうの?」
「僕がもう食べれへんの」
「お金かかりそー」
「でも…探も出すし」
「ここでもようけ食べてもらいましょうね」
「おおきにお母様!」
迷惑がられるかと思ったが、しっかりと受け入れてもらえたことに蓮は安心する。その後はお風呂に入り、眠りについた…。
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