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特に緊張している様子のない探はペコッと頭を下げて中に入った。まずは居間に案内され、自己紹介が始まる。


「次女…と違て、長女梗や」
「次女桜や」
「三女杏や」


みんな一つ違いで蓮と同じ茶色い髪の毛の女の子。確かにみんな可愛いのだが、やはり蓮が飛び抜けているようだ。そのせいか3人は妙に仲良くなり、ひねくれた性格にもなってしまった。


「市川、探」

「あ、えっと…ルームメイトなん」


名前しかいわない探に蓮がほんの少しのフォローをいれ、顔合わせは終わった。

それからは学園であったことを話し(その間探は寝ていた)、みんなの話を聞き(探は杏にいじられていた)、探を部屋に案内することになった(探はのそりと起き上がった)。

いくつもある和室。どこにするか悩み、結局蓮の部屋の近くになった。布団を用意している間も探はウトウトしていて、ふてぶてしいにもほどがあるくらいだ。


「ねぇ蓮姉ちゃん」
「ん?」

「探兄ちゃんってさ、なんかの病気?」
「え?!」

「だってずっと寝てるし」
「あ、あぁ。いつも眠そうにしとるよ。特に病気とか、そないな訳やない」

『なーんや』



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