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『家、忘れた』
『へ…?え、ど、ないな意味…?』
『んー…家がどこか、分からない』
『え゙!?どうするん!?』
『どうしよう』
『どないしよって…あ!』
ここで蓮はいいことを考えついてしまったのだ。自分の家なら広いし、夏休みもずっと一緒にいられる。家に呼ぼう!と。こうして断ることをしなかった探も一緒に、我が家へ帰ることになったのだ。
ちなみに家族には、電話をしたときに "友達" を連れて行くといってあった。蓮が可愛いというのは梗たちも十分わかっているので、その友達ももの凄くカッコイい人だと期待していたのだ。
だがそこへ現れたのは探。蓮は探をカッコイいというが、周りからすれば平凡君だ。
「す、探はかっこええ、で?」
『えー蓮姉ちゃんこないなのがタイプなん?』
「むっ!探の悪口は許しまへんっ」
『はいはーい』
幼い頃の習慣で、妹たちは今でも蓮にお姉ちゃんをつけて呼んでいる。それにはもう慣れているので何も思わないが、探の悪口となれば別だ。学校での弱々しさはどこへやら、ビシッと指を指して釘を刺した。
「まぁまぁ、とにかく中に入りぃ」
『はーい』
「探君も、おいでやす」
「よろしくお願い、します」
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