27 「大、丈夫?」 「…うん。おお、きに…。今、ご飯作るさかい」 部屋についた蓮はしばらくの間探に甘え、台所へ向かった。食欲はないので探の分だけ。簡単なものを作り、食べてもらっている間に自分はお風呂に入った。 要に、知らない男に触られた所をゴシゴシ擦る。だが体についた唾液や触られた汚れは水に流れ落ちるのに、あの感覚までは流れていってくれない。どんなに洗えどもそこに残っているのだ。 気持ち悪くて、切なくて、どうにかしたくて。考えに考えた結果がこれだった。 「っ…す、ぐる…!」 「ん?…っえ!?///」 リビングにいた探のもとへ、体にタオルだけをまいた状態で現れた蓮。いきなりのそんな格好に探が目のやり場に困っていると、さらに蓮は近づいて、抱きついてきた。 「…ねがっ、……ぃ」 「え?」 「だい、て下さ…い」 恥ずかしい思いを振り切って、今にも消えそうな声で蓮は誘う。…あの気持ち悪い感覚を消して。探でいっぱいにして。 そんな思いを込めながら振り絞った言葉に、探は顔を赤くした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |