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2人の説得虚しく、大声で怒鳴りつける要。相当頭に血が上っているようで、紅も一緒に押さえつけに入った。するとうるさそうに顔をしかめていた探が、
「蓮、帰ろう」
そういって蓮の腕をとり、去っていこうとした。
「わっわっ、探!?」
「な、ちょっと待てコラ!!お前…このままで済むと思うなよ…」
「っ…紅さんさよならっ!!」
「はいはーい。シたら報告よろしくねー」
2人を見送る紅たちに、見事な悪党に成り下がった要。要はしばらくの間、蓮が出て行った扉を睨みつけていた。
「要、どうしたんですか一体…」
「はっ、気にくわねぇだけだよ」
「何が?初めてのとき相手にされなかったのが?それならもういいじゃん。男が苦手だったって分かったんだから。
つかあんたがそんな態度だから蓮ちゃんが怖がってんだろ?可愛い子がみんなあんたに靡くと思ったら大間違いだし」
「黙れ。知った口聞くな」
「黙んないし。つか分かるし。俺蓮ちゃん好きだもん。初めて抱きたいーって思ったし大切にしたいって思ったし。でも蓮ちゃんが市川をとるならそれはそれで応援してあげようと思うしね」
「「………」」
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