[通常モード] [URL送信]

「何で、行くの?」

「ふぇっ…?」


声をかけられ、蓮が顔をあげると、探がどうしてか分からない、という顔をしていた。


「嫌なんでしょ…?」

「だって…僕、のせいで…2人が」

「そうだ。優しーい蓮ちゃんは人のために俺と "デート" に出掛けるんだ」


なー、と、要がふざけたように笑った。それに神と心がムッと顔をしかめ、蓮がまた震えだした。2人は蓮を庇うように言葉を紡ぐ。


「俺達のことは気にしなくていいよ。行きたくないもんは行かなくていーし。こんなののいうことなんて聞かなくていーの!俺別に気にしねぇし」

「そうですね。私もこんなに怖がっている人をほっておけませんし…」

「ほら、いいって。…だから行くなよ?」

「ん…っ」


そういって、探は蓮の頭をポンポンと撫でた。それだけで震えは止まり、自然と笑顔になっていく。

…だが、そんな様子を要が見逃すはずがなかった。


「なぜ、そいつには触らせる?」

「っひ…?」


怒りの中にどこか寂しさを交えた声。初めて聞いた声に神…いや、その場にいたみんなが戸惑ってしまった。らしくない、と。


「そいつも、神も触る。…なぜ、俺は駄目なんだ?」



[*前へ][次へ#]

8/37ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!