[携帯モード] [URL送信]

『あの笑顔独り占めかよ』

『市川になりてぇ』

『つか市川じゃ勿体ねぇ!!』

『俺のが絶対いいよーっ』

『あいつのどこがいいんだよ…』



──ムカッ


一気に責め立てられ、蓮は震えだした。顔を伏せ、拳を握り締めている姿に、クラスの人が言い過ぎたと反省しだしたときだ。

蓮はバッ!と顔をあげて探の方へ近寄り、クラスに向かってこういった。


「探…は、かっこええのっ!!探のこと、悪ういわんとってっ」

『『………ぇ…』』

『はーい授業始めるぞー…って何だ?』


タイミングよく時間になり、教室へ入ってきた先生は中の異様な光景に首を傾げた。

ポカーンとしている人たちの目線の先にいるのは、まるで僕のもの、とでもいうように探にしがみついた蓮。どうやら先ほど震えていたのは恐怖からではなく、怒りからだったようだ。

それでも先生が来たことで、クラスが動き出そうとしたとき、


「蓮も、可愛いよ…?」

「ぇ、あ、お…きに///」


という2人の甘い会話のせいで、またしばらくの間クラスが停止状態になった。



[*前へ][次へ#]

3/37ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!