8 ハァハァと荒くなる息、女のいきなりの変わりように頭がついていけない蓮。何を隠そうこの女、佐竹紅(自称20歳)は俗に言う腐女子(貴腐人)なのだ。二次元では満足いかず、本物を拝みたいという希望からこの学園に就職した。 今は毎日生徒たちを眺めながら、寮官および保健医として悶えているオバサンである。 「あぁ、ごめんねぇ、なんでもないのよ。…で?なんでいなかったの?」 「えっと…倒れちゃってて…。僕、男がダメなんや…」 「は?だってここ男子校よ?…あーだからさっき逃げたのか」 「……うぅ、はい…」 「へーえ、これから楽しくなりそうだねvV じゃあ部屋に案内してあげるよ。おいで」 1人納得、と頷き蓮の手を引っ張ってどんどん中へ進んでいく。そんな紅はウキウキ、蓮は不安でいっぱいな様子だ。 「…はい、ここがあんたの部屋。これが鍵ね。じゃ…」 「えっ、ちょっ、行かへんで!!」 「ぅ、わっ…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |