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「へ…?あ、そうだったんだ。…え?これ全部!?つか愛妻弁当だったのに食っちゃって悪かった!かーっ、何か俺が照れてきたぜ」
「……ごちそうさま」
「はっ!?」
心がそんなことをいっている間に、なんと探はお昼を食べ終えてしまった。重箱2段、蓮が口をつける暇もなく空っぽに。その早さにクラスの人は驚きが隠せないようだ。
「お粗末様でした。午後、頑張ってーな」
「うん。……眠い…」
「……寝る?」
「ん…」
目をゴシゴシ擦りながら横になった探は、起こしてねとそれだけいって寝てしまった。…周りの人の口はさらにあんぐりと開いた。
「な、蓮ちゃん。ちゃんと食べた?ほとんど食べられちゃったんじゃない?俺の買ったやつだけど食う?ったく蓮ちゃんのことも考えてくれって話だよなー」
「ううん、平気…や。いつものこと、やし…ちゃんと、食べた…から」
どこか幸せそうに、"いつものこと" と。この言葉に、心もみんなも反応した。
((そういえばお昼は2人でいなくなるよな…))
「なぁ、」
「…あっ、時間!…ねぇっ、探、起きてっ」
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