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応援はいらないという探に、心が言い返すよりも早く、蓮が反応した。バッと顔をあげ、声を張り上げる。
「行く!!…のっ」
「え…あ、うん」
そんな蓮の迫力に負け、探の意見はなかったことになり、結局みんなで応援に行くことになった…。
◆
「へーそう。勝つといいね」
「うんっ!紅さんも行こ?」
「い・や」
さっそく紅に朝のことを告げると、なんとも心のこもってない返事が返ってきた。特に興味がないらしく、応援にも行かないといっている。だがそれを、蓮が許すはずがない。
「だぁめっ!みんなで応援するんー」
「嫌よ。そんな青春してる暑苦しいとこに行くの。性春だったら行ってもよかったけど」
「?、同じちゃうの?」
「音はね。ま、この前あけたクマを私だと思って連れてってよ」
「うーいじわる」
「結構ですー」
こういわれてしまえばもう連れて行くことが出来ない。蓮は仕方なくティーを紅替わりに連れて行くことにしたようだ。
「意地悪なおばさんだねー」
――コクッ
「お、おばさんー!?あんた、覚悟はできてるんでしょうね…」
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