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先ほどの扉の音に気付いた2人が部屋に入ってきた。逃げ出すことの出来なかった蓮は、ベッドの上に飛び乗り布団を被る。小さな山が、小さく震えていた。


「私はこの学園の副会長の森田神です。こちらは会長の寺門要。いきなり倒れたからビックリしたんですよ?」

「っ……」

「……あの、聞こえてますか…?」


メガネをかけた人が、それは優しく自己紹介をしてきた。だが、今の蓮にはそんな言葉全く耳に入っていない。ただプルプルと震えるだけで、それに気付いた要がシカトかと怒り出し、布団を剥ぎ取った。

バサッという音と、目の前に現れた男に蓮はまた目に涙を溜め、そして…。


「ひぃぃっ、かっ堪忍して下さい!!失礼しましたぁ!!」

「え!?ちょっと君!?」

「な…っ、おい、待てよ!!」


蓮は物凄い速さで2人の間をすり抜け、部屋を飛び出していってしまった。それはもう、脱兎のごとく。


「んだアイツ…おもしれぇ」

「要…」

「顔もなかなか可愛かったしな。あんな反応は初めてだ」

(ああ、これはもう止められそうにないですね…)



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