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心から抜け出せた2人は、ずっと手を繋いだまま歩いていた。それに気づいた蓮が慌てて手を引き、顔を真っ赤にして謝る。それにはどうやら、お化け屋敷でのことも含まれているようだ。
「あ、別に。…でも、はぐれない?」
「え…?」
探が目をそらして聞いてきた。…手を差し出すというオプション付きで。その手に蓮は凄く驚いたが、しばらく考える様子を見せたあと、恐る恐るその手をとった。
なぜか2人して顔が真っ赤だ。
「おお、きに…///」
「いや…」
(俺…何言ってんだ?)
(うわー/// 手、手!僕どうしてもたんやろ…)
その日は、残りの時間ずっと探にエスコートされたまま、1日を終えることとなる。…そして次の日、蓮は暇を持て余していた。
今日は喫茶の方も手伝うことはないし、校内はほぼ回ってしまった。それになぜか探もいないのだ。どうしようかとクラスの裏の方で悩んでいたら、
──ぐうぅ…
お腹がなった。朝、時間がなくて食べてきていないのだ。
「どないしよ…」
ガマンしきれそうもなく、このままというわけにもいかないため、蓮は勇気をだして外へ買いに行くことにした。
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