25 まぁこんな子がお客相手にしてたんだから仕方ないだろう……と思ったのだが、原因は違うものだと気づく。機嫌の悪そうな要と、安心した顔の神がこちらを見ていたのだ。 「もーいい加減慣れなさいよ」 「無理っ」 「あ゙あ?」 「ひぅっ!?」 「会長もそんな態度だから嫌われるのよー?」 「嫌われっ!?…このクソババア…調子にのるとどうなるか分かってんのか…?」 理事長の孫、寺門要。その権力は生徒の間だけでなく、先生にまで及んでいるのだ。だからこそ彼に刃向かう者はいない。しかし…、 「バ、ババア!?何てこというのよ!蓮、コイツと話さなくて正解ね。てかもう頭から消しちゃいなさい」 「え……」 「ああ?」 紅はキレた。相手が誰であろうと関係ない。ババアといわれたらもう黙っていられないのだ。あげくの果てには慣れろといっていたのに、記憶から消せとまでいってきた。これには蓮も要も、周りのみんなも驚きだ。 「…い、い度胸じゃねぇか。俺がじじいに掛け合えばなぁ…」 「要、もう止めなさい」 「うるせぇ!!」 「うるさくても止めますよ。時間が押してます。次のクラスへ行かないと…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |