20
(ほぇーみんなすご…。僕もやらななー)
『こんちはー』
「ぁ、ぃ、いらっしゃ…ませ」
『ふっ、噛んだの?可愛いね。俺は…ケーキセット』
「は…ぃ。少々お待ち、下…さい」
1人目のお客さんはいい人だった。爽やか君で、蓮も何とか対応することが出来たのだ。
(大丈夫。あの人やったら大丈夫)
「あ、の…ケーキセット、です」
『あ、ありがとう。頑張ってね』
「ぉ、おおきに…」
その人の接客を終え、心からホッとした蓮。この前の練習のようなお客じゃなくて助かった…と思っていたのに。
『うっはーこのメイドちょー可愛い!この後さ、暇?』
喫茶に来ていた人が、蓮をナンパし始めたのだ。チャラそうな男がニヤニヤと蓮を舐めまわすように見つめ、迫ってくる。
「ぇ、ぁ…」
『なぁ、いいだろ?』
「やっ…、」
「……ご注文は?」
蓮の方へ腕が伸ばされ、触れてしまう…と誰もが思ったとき、誰かが2人の間に割って入ってきた。
「す、ぐる…」
『んだてめぇ』
やる気のない執事、探だ。相変わらずのほほんとした顔をしているが、ピリピリと怒っているのが伝わってくる。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!