9 「………、お風呂入ろっ」 人がいるときに入るよりは全然マシだ。あまり時間をかけずにお風呂に入った。それからテレビをみたり本を読んだり。本当は狛璃たちに電話をしたいのだが、せめて旅行中は頑張ってみようと言われてそれも出来ない。 ──バンッ 「っ!?」 「はーるかー!な、向こうでトランプやってんだけど来ねぇ?」 「っ…い、い」 「えー…そ。寂しくね?」 「別に…」 (うーん…まだダメか) 「じゃ、何かあったら呼んでな」 そういって幸慈は出て行った。まるで台風が去っていった後のようにシン…となり、遙香は心臓を押さえた。その後疲れが襲ってきた遙香は布団に潜り込み、あっという間に眠りについた…。 「……んっ…」 朝日が眩しく、遙香はそれで目が覚めた。時計を見るとまだ5時半で、朝食までは時間がある。そして周りをみるとなぜか遙香1人だけだった。 「………よか、た…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |