7 そんでさ、まぁ色々不安はあったわけですよ、俺でも。 だけど担任も普通だし何より女の子が……あ、これ男子校にいた俺としては結構重要だから! 教室に入っての掴みもバッチリだったと思うんだよね。 ……でも小鳥遊遙香くん? かんわいいよね、前の学校でもあんなに可愛い子いなかったし。 なのに一言も話さない……つまらなそうな目、してた。 うん、俺遙香のこと気に入ったかも。絶対仲良くなってやろっと。 * * * 家から学校までは約10分。まわりに人がたくさんいるときは7分くらい。うるさい人が来てしまったことにより、狛璃欠病症は極限まできていた。バタンとドアを閉め、ソファーにうずくまる。 「ぅぅ…にぃに、にーにっ」 可愛いね、なんて今日会ったばかりの人に言われても嬉しくない。ただ気持ち悪いだけだ。幸慈に変なつもりはなくても、遙香にとっては嫌悪以外の何ものでもない。 ……昔を思い出してしまうから。 しばらく震える体を抱き締め、遙香は家を出た。真向かいにある彰鬼の家のチャイムを鳴らす。…が、誰も出ない。それを分かっている遙香は、持っていた合い鍵で中に入った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |